インプラントはやっていないのですか?

実は、診療中にもよくいただくご質問なのです。
この件に関しまして、説明をすると長くなってしまいますが、
最後までお読み頂き、ご理解頂けますと幸いです。

私が歯科医として診療をし始めて、20年近くになろうとしていますが、
多くの患者さんを診ていていつも思うことは、
狄祐屬梁里呂劼箸弔箸靴篤韻己はないということです。

病名は同じ物が当てはまったとしても、
その処置による反応や治り方など各々違うのです。
私が診療中に「これで少し様子をみましょう。」というのも、
【最善と思われる処置をしましたが、お体の返事(反応)をききましょう】
という意味を込めています。

西洋医学だけでは説明が付かない事も多く、
(実際、病名がはっきりと付けられるものの方が少ないくらいです)
いろいろな要因が重なり合って、体の不具合となっているのです。
古くから“病は気から”と言われるように、
“気”の存在も決して侮れないものだと思います。


そうしたことから、
より良い診療をと考え、知識を幅広く身に着けようと、
東洋医学の研修も受けました(現在も勉強中です)。
東洋医学では、歯の根の部分に重要な経絡(けいらく=つぼ)が有る事を示しています。
その位置はちょうどインプラントを埋め込む部分に当たります。
自然の歯の状態ですと、
歯を支える部分にクッションとして歯根膜という物があり、
それによって、かみ合わせたときにかかる刺激を和らげているのです。
しかし、インプラントではそうした保護する部分は作れません。
日々繰り返される歯根への刺激が、
経絡にどのような結果を及ぼすのか・・・、
そしてその影響は全身にどう現れるのか・・・。
それはまだはっきりと解明されていないと私は判断しています。


また、最近、携帯電話の電磁波の問題が取り上げられていますが、
インプラントで口腔内(脳に近い部分)に金属(チタン)を埋め込むことによって、
その金属が電磁波を受けるアンテナとなり、
直接骨に伝えられるという指摘も学会に出てきております。
電磁波による体への影響すら判明していない昨今では、
100%安全とは言い切れないのが私の考えです。

それ以外にも、不安材料があります。
インプラントを施すケースになる方の多くは歯槽膿漏による失歯です。
施術後、インプラントを維持していく為には、
今まで以上に繊細なメインテナンス
をし続けなければなりません。
再びその箇所が歯槽膿漏になってしまえば、
高額な治療費や、長期に渡る治療期間が無駄になってしまいます。


そうしたリスクを負って、長時間体に負担をかけながら、
インプラントを施す事に私は抵抗があります。


私の治療指針の根本的なものに、
「家族だったら、どの方針にするか」
という考え方があります。

今現在のインプラント技術とリスクを熟考すると、
私は私の(心の)家族である患者さんにインプラントを施術する決心は付きません。

何度も研修会・講習会へ参加しておりますが、
私の心配を解消できるレベルには至りません。

少なくとも江戸時代からある【入れ歯】には、
ご指摘のように多少の不便はございますが、
長年の経歴による安全性というものは保障されています。
また、その材料や技術も年々進化をしております。
私はより使いやすい【入れ歯】を、
その人の生活に合わせた状態に丁寧に調節し、
少しでも快適に過ごしていただく方に尽力したいと思っております。

ただ、今後もインプラント技術の動向はチェックして参りますので、
充分納得できる治療が出来る状況になりましたら、
その際にはこちらでご報告とともに、
施術を開始したいと思っております。

ご理解いただけましたら、幸いで御座います。

 
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